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2003年04月28日
オイルは数日時間が経ってみるとだいぶ印象が変わってきた。
オイルは数日時間が経ってみるとだいぶ印象が変わってきた。
「たまたま古事記関連の仕事をしていた臨場感みたいのものを差し引くと、それ程でもなかったかな」と言う感じになってきた。いい加減なものだ。野田作品を以前から観ている編集者と話したら、「藤原竜也は本来道化の役どころなのに、役が中途半端になってる」と言われ納得。そのほかの役者も達者な顔触れなのに際立ってこなかった気もする。それと舞台美術と衣装。美術は稽古場のようにチープだった。昨年の日比野こずえのやわらかくて清々しい美術はよかった。最近山奥で神楽ばかりみていたので久しぶりに里の文化にふれて過剰に反応してしまったのか。でも内容とストーリーはタイムリーでよかったし、幾つかの台詞がとても響いたことは事実。
今日は新聞屋にもらったチケットでナイターへ。娘は朝から盛り上がって、保育園で会う人みんなに「今日、野球場に行くんだ!」と自慢していたらしい。彼女の一番の目的はアイスクリームだ。松井稼頭男のホームランが目の前に飛んできて嬉しかった。春先の西武球場は山の空気が気持ちいい。
投稿者 Ken Kitano : 23:26
2003年04月26日
4月26日 野田map「オイル」シアターコクーン
最近観た芝居のなかでこんなにも台詞が耳に心に深く届く芝居はなかった。 (といってもあまり芝居を観てないが)イラク戦争というタイミングもさることながら、今の私のために書かれた芝居と思えるほどタイムリーだった。ここ半年神話(古事記)の舞台を地べたをはうように歩いて写真を撮ってきた。仕事の写真であってもそこから現在を見たいと少なからず思っていた。神話の舞台は南九州にしても出雲にしても「クニユズリ」すなわち侵略と併合の物語である。特に出雲は祭りにも人々の考え方も(記憶)にももともとあった出雲の国という考え方が強い気がする。(それは時に天皇性よりも深いものなのか?)神話の現場を歩き、話しを聞き、宿に帰ってTVをつけるとニュースで中東情勢、イラク戦争、ブッシュの顔が映るのを見て滅入る。そんなこの半年の日々で考えるのはやはり、侵略という相似、ヤマトという中心とその周辺=アメリカという中心とその周辺という相似。そう考えると様々ながものが同じ構図に見えてくる。こうしたイメージをよりはっきりさせるためにも、旅の合間に様々な人々と向き合って肖像を撮る。輪郭を溶かし、重ねながら現れる肖像の重層の果てに在る連続した「時間」へとイメージをつなごうとするのだ。「オイルと老いる」こと、「時間」の連続性をリアルに感じた(発見した)とき見えてくる様々な相似と自己の存在。ここ半年ぼんやり考えていたことをつなげて提示されたような芝居だった。
それにしても松たかこは思っていたよりもずっと綺麗だった。藤原竜也はヤマトと言う様々な意味が重なる存在の役でいまひとつぱっとしなかった印象。去年見た「贋作・桜の園の満開の下で」の堤真一の鮮やかな印象とつい比べてしまう。5月25日までにもう一度当日券で行きたいと思うが行けるだろうか。当日券は毎日60枚程度開演一時間前から出るそうだ。
連続性(時間〕へのイメージの欲求は写真をやることは勿論あらゆることを考えることの源で、殆ど業のようなものかもしれない。
終演後三軒茶屋へ移動。もつ焼きの「くに」に行くが閉まっていて、「味とめ」で泡盛のホッピー。
投稿者 Ken Kitano : 23:27
2003年04月25日
4月25日 宮中で雅楽
朝十時に大手門で編集のIさんOさんと待ち合わせる。雅楽堂は古くてあまり愛想のない建物。すでに満員の観客で椅子はない。基本的には屋外で演奏するものなので舞台の周りに玉砂利が敷かれ、屋内なのに瓦がふいてあったり屋外に模した意匠。開演直前にTVでよく見たあの会釈をされながら皇后陛下、紀子さまが入ってきた。わずかだが独特のあの祝祭感が漂う。「あぁ、こうゆう空気か」と思う。それよりも侍従と思われる人の高そうなスーツが目に付いて離れない。雅楽は昨年、春日大社の御祭で春日のものを観た。しかし宮内庁の式部職楽部の演奏はそれとはまるで違った。素人でもわかるが毎日演奏している人は違う。音に力があるし、朗詠(唄)などはぐーっと吸い込まれるような音だった。春日大社のは神職と保存会のひとによる演奏なのでどちらかというと野趣にとんだ味わいがあるように思う。こちらのはもっと洗練されている感じ。和というより大陸の音楽という印象。
夜以前カード会社の雑誌を作っていた人たちと飲み会。久しぶりに再会すると前の仕事をしていたときと少しずつ顔が違ってきている。六本木のキューバ料理屋へ。雅楽からカリブ音楽へ。まるっきり対極だ。少しだけカリブの空気を感じられてよかった。
投稿者 Ken Kitano : 23:27
2003年04月23日
4月23日 中島さんライブ
体の中に出張の疲れがタプタプに溜まっている感じ。久しぶりに家に帰ると珍しいので歓迎される。娘が「お父さんと寝る!」と言って布団のなかでぴったり寄り添ってくるのはいいのだが、寝ていると娘に少しづつ押されて気がつくと私だけ布団の外に出されている。小さい身体でなんであんなに強力なんだろうか。寝不足で疲れがとれない。ミュージカルの制作をしている中島さんが自分で書き下ろしたライブをやるというので夕方築地へ観に行く。終演後東銀座で牛タンといわし。
投稿者 Ken Kitano : 23:29
2003年04月22日
4月22日 連続出張終了。
重なる時は重なるものだ。どうしてうまく均等に仕事が入らないものなのか。理由は簡単、実力と営業力のないからだ。「震えるくらい暇」だった2月から一転、3月の後半から出張の撮影が重なった。短い期間にいろんなところに行ったので、記憶が定かでない。手帳を見ながらパチンコ玉のように動き回った1ヶ月を振り返ってみる。濃い一月だった。
投稿者 Ken Kitano : 23:29