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2003年11月21日

11月21日頃 最近の績読2

・「サンバの町から」/上毛新聞社
昨年W杯決勝のひに取材に行った日本で最も外国人居住者の多い町群馬県大泉町(住民の14パーセント!)のドキュメンタリー。戦時中中島飛行機の工場で栄えた町が日本の中のブラジルになるまでの軌跡だ。
日本のなかのマルチエスニック空間。アメリカのようなアイデンティティーの戦場ではないにしても、日本で生まれたり育った子供や孫の代と本国、祖国の関係は時間が経つにつれ複雑なアイデンティティーの問題を孕みはじめる。(さらに日系人は親や祖父の祖国がまた日本だったりする。)こうした現象は圧倒的な一極化を見せるグローバリゼーションのなかで、北米のラテイーナ(ラテンアメリカ人)の文化などと同様に世界同時性を孕んだ「場」と「カテゴリー」の問題が見えてきそう。前回は優勝の瞬間を撮影するのが精一杯だったので改めて時間をかけて大泉町を訪ねてみたい。ラテンアメリカ・レストラン、バーの飲み歩き食べ歩きも楽しそうだ。

・「いつか旅するひとへ」勝谷誠彦/講談社文庫
短編旅行記集。勝谷さんの酒と食いもんのエッセイはゆるゆるとして彷徨う感じがたまらなくいい。最初の香川うどん地獄の章は、パートナーがさぬき人の私としては「そうだそうだ」の連続だった。勝谷さんのhpで例の黒川温泉のアイレディース宮殿の母体がアイレディース化粧品で東北で学校を経営している他、かつて女性党といううさんくさい政党を作って当時の新社会党よりたくさん得票をえていたことを知る。あの支配人の顔と言葉はカルト集団のそれに通じるものがある。

投稿者 Ken Kitano : 2003年11月21日 22:12