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2003年11月23日

11月23日 伊勢神宮

 伊勢神宮の式年遷宮説明会に一泊二日で参加。
 伊勢神宮の遷宮は20年ごとに正殿はじめ別宮、鳥居にいたるまで建物全てを新しく作り替え、神様の装束、神宝も新調して新宮に納めるお祭り。南北朝時代など途中中断はあったものの1300年に渡って連綿と続いてきた壮大な営み。清浄を重んじて、常に新しく再生し続ける神道の性質をよく現している。遷宮した後の古殿は災害に遭った奥尻島や神戸の神社の社殿として再生されたる。正殿の棟持柱は宇治橋の鳥居として20年、さらに桑名市の鳥居として20年、その後は氏子の家の表札等に使われる。実に様々なかたちでリサイクルしてゆく。社殿の部材は殆ど桧の白木。数百年後の遷宮に供えての植林事業や様々な伝統技術の伝承など神宮自体が壮大な生命システムのよう。ここ数年ourfaceの取材も含めて日本各地の神社や神事を取材してきて最近感じるのは神道は宗教なのか?ということ。神道は基本的には農業、漁業、水や木など自然と人間の関係性というべき信仰。現世利益はなく、宗教というよりはどちらかというと宗教観というようなものではないか。ただ明治以降の国家神道、天皇制はまったくどうしようもないが。
伊勢神宮10年後の遷宮にむけて折に触れて取材してゆきたいと思う。

投稿者 Ken Kitano : 2003年11月23日 22:12