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2004年07月03日
7月3日 新宿プレイスM「写真の会賞」展
なんと10年ぶりのギャラリー展である。我ながら「仕事してない」と思う。が、怠けていた訳ではないのだ。撮れない時期もあったけど、ずっと撮ってきて、いい作品が出来てきて、こっちがやりたいと思ったらギャラリーの鍵をもったひとが、「つまらない」と言ったり、極く稀に向こうから「やりませんか」と言われたときにこっちがのらなかったりで、いつの間にか10年・・。ま、それはともかく、午後7時設営開始。ひさしぶりにまっさらな白い壁を前にして嬉しくなった。ご一緒する楢橋さんにご挨拶する。楢橋さんは今回の関係者で唯一、前回のICACウエストンギャラリーでの個展「溶游する都市」を観に来て下さっている。私は入り口から右の壁を使うことに。今回のプリントは幅50センチのロール印画紙に横に等間隔に12の肖像を焼き付けた長〜いプリント。(さすがに一枚のロールというわけではなく、3つの壁面ごとに3.5mと2.2m、2mのプリントを作った)プリントはドイテク時代から担当していただいているプリンター石島さん(現カラーサイエンスラボ所属)にお願いした。カラー印画紙にハーフトーンばかりのモノクロ画像を巨大なロールで焼くという離れ業をしていただいた。これはour faceの基本コンセプトである、ひとつの集団の言葉や光や時間を、縦に垂直に重ねてゆく作業ででき上がった肖像を一切の序列や大小をつけずに、ひたすら横にまるで回廊のように水平に連ねてゆくというコンセプトを形にしたもの。(ひとやものごとを垂直に見つめる作業とそれを水平に連ねる作業を同時にやる、ということが今のメディアには必要だと思う。難しけど。)本当はこのウエブサイトの見せ方も縦にスクロールするのではなく、横に展開するような形にいずれ変えていきたいと思っている。
写真の会の浅野さん、永田さん、プレイスMの方々にも手伝って頂いてしわにならないように壁に丁寧に貼ってゆく。なんとなく「our face」な空間になった。
いずれは一枚が等身大の大きなプリントがどこまでもいつまでも連なる肖像の回廊のような展覧会をやってみたいと思っている。観ている人も始めのうちは舞妓さんの肖像は新地のホステスさんに比べてどうだとか、違いで見ていた人も、次第にそうゆう見方を放棄して、ものごとを「違い」で見るのも「同じもの探し」で見るのもどうでもよくなり、気がつくとひたすらモコモコとした肖像に自己を見つめるような、そんな根気のある見せ方をいずれ。
投稿者 Ken Kitano : 2004年07月03日 07:09