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2006年04月24日
4月23日 現代美術館
木場の現代美術館に家族で行った。井の頭動物園に行きたいという娘をなだめすかして行った。開催中のカルティエ財団展は大変面白かったです。最初の展示室のおびただしいビーズで作られた、夢のように鮮やかで美しい花咲く庭のオブジェにいきなり目を奪われる。娘もこの展示に気をよくしたようで、暗いところを怖がって普段は近づかないのに、暗がりの中でたくさんの目玉が瞬きする作品なども進んでみていた。ポスターにも使われているロン・ミュエクの「イン・ベット」はベットに横たわる精巧な巨大なマネキンもよかった。近づくと瞬きしそうなくらいに精巧にできている巨人。虚実を越えたリアリティーに、案外気持ちよく居続けてしまった。
美術館を出て、木場の知人の若いウエブデザイナー夫婦のホームパーティーに行く。ご主人がアメリカ人だからか外国人のゲストがおおかった。ワインを飲み楽しく談笑。永瀬さん、クリスさんありがとう。5時頃辞して、妻と娘は帰宅。私だけバスで住吉へ。めあてのコの字「神谷酒場」はまたしても団体貸し切りのため入れず。ライター袴田さんと合流して、仕方なく錦糸町馬券売り場近くの居酒屋で飲んで帰りました。帰宅してうちの奥さんとまたワインのんで話す。酒量は多くないのだが、昼からずうっと飲んでいたので、酔っぱらいました。
投稿者 Ken Kitano : 09:02
4月22日 熊野本
昨年熊野に通い続けて取材した「熊野古道公式完全ガイドブック」(扶桑社)が出た。印刷直前に台割りを変更するという恐ろしい事態になって、色稿はよかったのに、実際の刷り上がりは今イチです。巻頭の「写真で見る熊野」のグラビアもやんごとなき事態で頁を削減することになってしまった。いろいろあったが、ともかく発売になりました。何しろカメラマンひとりと編集兼ライターひとりで作った本。編集者兼ライターの秦さんは「ひとり編プロ」状態でした。お疲れさまでした。「空白の3ヶ月」を取り戻してください。熊野行く人は、これ一冊あればだいじょうぶという本です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594604374/ref=pd_rhf_p_1/250-9816746-4571416
投稿者 Ken Kitano : 08:41
2006年04月23日
4月21日 伊勢
なんか毎週三重に行っている。伊勢神宮の祭取材。
祭の回を追ってプレスの数が増えている。すでにカメラマンの場所取りが過熱気味。8年後のご遷宮のころには取材スペースに入りきれなくなるに違いない。くたくたで帰京。
投稿者 Ken Kitano : 10:36
2006年04月19日
4月18日 稲葉なおと展
6時半に起床。娘とゆっくり朝食。先週取材で行った三重県の農業体験型宿泊施設「もくもくファーム」特製ベーコンを厚く切ってカリカリに焼いた。うまかった。11時に飯田橋で建物の外観を撮影予定なので9時半に車で出た。空は晴れているがガスっている。後で知ったが黄砂だったらしい。毎年黄砂のエリアは広がっているのではないか。だとすると中国の開発が進んでいる影響か?青空バックの写真なので、今日の撮影は延期することになった。
なのでその足で銀座資生堂ギャラリーに稲葉なおとさんの写真展を見に行く。稲葉さんはアシスタント時代にボスの知人としてお会いしてからのご縁。当時は一級建築士で建築プロデューサーでいらしたが、その後作家デビュー。続々とホテル紀行や建築探訪的なエッセイや旅行記、小説をっ出版なさっている。すごいなあと思っていたら、こんどは写真集まで出された。世界のアールデコ建築のホテルの写真集。いわゆる建築ではなく、旅行者の視点がどこかにある写真だと思った。
午後渋谷でSPA!の今週の顔の撮影。ビルの屋上でミュージシャンを撮る。
帰宅後慌ただしく着替えて知人のお父さんの告別式に行く。
投稿者 Ken Kitano : 08:21
2006年04月16日
4月13日 爪切るなよ。
取材で三重県に出張。6時の新幹線に乗るために、 早朝5時台の中央線で東京駅へ行く。空いている車内に時折、プチン、プチンという音がする。三鷹をすぎて荻窪に着いてもやまない不思議な音が気になって、車内を見回して音源が解った。スーツを着た若いサラリーマンが爪を切っていた。おいおい、ここは自宅かよ。車内で化粧をする女性は時々話題になるけど、爪を切る男は初めて見た。もっとも大学時代に使っていた総武線下り各駅停車はラッシュ時にワンカップで酒盛り(つまみはゆで卵)をしている人が普通にいたけど。爪切り男の使っていた爪切りが切った爪が飛ばないようにカバーがついたタイプか、ついていないタイプかは未確認。
投稿者 Ken Kitano : 12:02
2006年04月12日
4月11日 暗室
雨で仕事の撮影が延期になった。そこで朝から暗室作業。近江高校野球部員のバライタ、フルアナログプリントを焼く。まずプリント作業表を作ります。以前RCで焼いた基本データにおおよその掛け率をかけた露光時間を算出して目安の露光時間を出します。印画紙はRCより号数を半号固め。顔の部分をテスト焼きをして目安のデータと照らし合わせつつ焼く。しかし、だいたい最初はうまくいかない。コントラストか露光が一回で決まらない。そこで一枚目をもとに掛け率を再度だし、ネガのコンディションやコントラストを考慮して、データを作り直します。高校球児の肖像は3回やり直して夜8時までかかってしまった。効率が悪いこと山のごとし、だ。家で晩飯を食べてから「アクセス」、「バツラジ」、「爆笑問題カーボーイ」(全部ラジオです)などを時々聞きながら朝までかかってもう1カット仕上げる。
投稿者 Ken Kitano : 08:23
2006年04月11日
4月8日 伊勢
7.8日と久しぶりに伊勢神宮へ出張だった。神宮は桜が満開だった。
出張中、仕事の電話が何本か入るが、いずれもどうゆう訳かスケジュールが重なって泣く泣く断る。ヒマなときは本当にヒマだというのに、なぜか重なるときは重なるものだ。もったいない。
夜帰宅してこたつでワインを飲んで、寝る。
投稿者 Ken Kitano : 08:38
2006年04月06日
4月5日 四国屋
朝から雨。今週はうちの奥さんが壁塗りの現場仕事。朝早く出かけたので娘とふたりで朝食。
2時に雑誌の撮影で麻布集合なので余裕をもって11時半に家を出る。なのに途中道が混んでいるのと、立ち寄った堀内カラーで長く待たされ、現場に着いたのは2時ぎりぎり。せっかく途中で西新宿でトマトタンメンを食べようと思ったのに・・。
撮影後、麻布十番の劇団イッツフォーリーズにて制作の中島さんに会う。出来上がった写真を渡す。5月のいずみたく没後15周年記念公演のパンフレットに、「our faceの肖像/イッツフォーリーズのメンバーを重ねた肖像」という写真を作ったのだ。モデルがプロの役者さんなので、「喜怒哀楽」それぞれの表情と、さらに手話で「心」の字の手のアップをそれぞれ撮影し、重ねた。出来上がった写真は、それなりに喜怒哀楽でした。
その後竹芝の扶桑社へ移動。熊野本の色校のチェック。「チェックしておいてよかった!」という写真が数点あった。土壇場で調整事項が多発したようで、編集部はキリキリしていた。
芝浦のPGIに行って三好耕三さんの写真展オープニング。勝手な想像でてっきり静物の写真かと思っていたら東京の風景写真だった。気持ちよく期待と違っていたのと、(今10年ぶりに自分が東京の街を撮り始めていることもあって)新鮮に拝見した。失礼ないいかただが、久しぶりに大人の写真、それも東京を撮った大人の写真を見たなあ、という気がした。何かを強調するでもなく、すっと、しかもずうっと見ていられる写真。工事中の山手通りだとか、下町の路地だとか、細密で、変な言い方だけど大きく撮っている。人が写っている写真があるのが個人的にはよかった。
自分の場合は風景でも「時間」ということが中心軸がどうしてもあって、人や自然や、大きいスパンの都市の変化といった、風景のゆらぎ的なことをとっかかりに目の前を見てゆく写真。だからフットワークとアクティビティーが大事。それで今はブローニをメインにして撮っている。しかし大型カメラの方が断然建物に力があるし、アオリが効くので空をわざわざ仰いでいる感じがしない。第一大きく伸ばせる。今は全然お金がないので無理だけど、課題だな。
三好さんの写真を見たから思うのではないけれど、バブルからひと回り。実感ないけど世の中の景気が上向きらしい。写真もひところの猛烈に「若さ」を礼賛し、熱望した傾向が落ち着くのかもしれないかな。単に「若い人」が歳をとったのもあるけど。
芝浦から杉並の堀内に寄ってから中野新橋のさぬきうどん「四国屋」へ。ここは本格的なさぬきうどんの店。しかもコの字で「がつ煮込み」とか「じゃこ天」とかつまみ類もあるので飲めるのです。ひさしぶりに来たらビールがアサヒからエビスに変わっていて思わず目がハートマークになる。かき揚げうどんを食う。うまかった!こんど飲みに来よう。
投稿者 Ken Kitano : 09:04
4月3日 強風
午前中自宅で仕事。フェーン現象で暖かいのに風が強い天気。風が強いのは”ゆらぎ系”写真には都合がいいので、カメラをかついで都心へ。桜満開の北の丸公園から靖国神社あたりを撮影。お堀がどんな感じか楽しみだったのだが、強風の為ボートが出ていなかったのが残念。それにしても凄い風。瞬間的に20M/秒くらいあったのではないか。フィルム交換の時に突風が吹いて、あっというまに手から離れたフィルムが風に飛ばさる。長い放物線を描いて路肩の排水溝の細いスリットにホールインワン!未撮フィルムでよかった。さらにその後金属のフィルターホルダーに入っているゼラチンフィルターが飛ばされること2回。しめて4000円分風に飛ばされるナリ。
夕方代々木で民俗学者K先生を囲んで打ち合わせ的飲み会。終電で帰宅。
投稿者 Ken Kitano : 08:51
2006年04月03日
4月1日 上野
実家の旅行に付き合って、というか運転手にかり出されて温泉ランドを大きくしたようなホテルに行って来た。「おもてなし」という概念とは一切かけ離れたホテルの館内では、原色のムウムウのようなものを着させられて、その寝間着兼普段着の衣装で、家族でもないのに大食堂で大勢の人と一緒の空間で夕食を食うというストレンジな状況。娘が「パパその服すごくよく似合っているよ」と全然うれしくない褒め言葉をおくってくれる。娘よ、言っておくけど、君もその服とってもよく似合っているよ。(安っぽさがよくお似合いの親子です。)
明けて昼間に都心に戻って来て、僕だけ上野に撮影に行く。上野は「溶游する都市」を撮っていた頃は毎年撮影に来ていた。久しぶりに桜の時期に来たら、上野独特の猥雑さがすっかり薄まっていた。10年くらい前は厚化粧で着物姿のおかまおじさんたちの屋外カラオケ大会とか、灯油缶太鼓とアコーディオンで演歌を演奏するおばあさんユニットとか、不思議な人であふれていた。久しぶりに来たら整然とブルーシートの上で宅配ピザなんぞを食って発泡酒を飲む若者ばかりで、面白くもなんともなかった。一見無意味で余分な「ゆらぎ」や「はみ出し」がこうしてだんだん薄まってゆくんだなぁ。人の群れを撮影していてもなんか露光時間が短くなった気がする。以前は花見客を30分くらい空けて撮っていたけど、そうゆう撮り方に耐えられる「密度」が風景になくなってしまった気がする。でも撮るけどね。毎年桜が咲くというのはありがたい。
投稿者 Ken Kitano : 09:56
3月30日 ・・・
ずっと家で作業。欲張ってour face「喜怒哀楽」などを作り始めたもんだから、いくら重ねても終わらない。
夕方打ち合わせに都心に出ようとしていたらJさんから電話。癌が目に転移していて先週失明した聞き呆然。ご本人はいつもの通りの口調なのだが、とっさのことで二の句がつげない。ご自宅周辺の坂などが思い浮かんで、次に不謹慎かもしれないけど、一緒にもっと芝居を見ておけばよかったとか、昨年一緒行った東北の風景が思い浮かんだり、とりとめのないことがばかりよぎる。
投稿者 Ken Kitano : 09:45