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2007年09月28日

9月27日 暗室

ずっと暗室。
これだけは時間をかけてじっくりやりたい、という仕事がある。けれど、なかなかそうもいかない。時間がほしい。
モノクロの印画紙は生産が少なくなったからか、同じ製品でも箱によって感度が微妙に違う。安定してない感じ。まとめ買いすればいいのだろうけど、そんなには使わないし。困ったものだ。
来週まで、あと二山、いや3山か、それを越えれば、一息つける。気を引き締めて。

投稿者 Ken Kitano : 08:47

2007年09月17日

9月16日  ラスト名古屋

日帰りで最後の名古屋出張。昨年から40日以上尾張地方に滞在したことになる。まだタクシーの運転手ができるほどではないが、道もだいぶ覚えた。
名古屋の喫茶店文化は農作業の合間に普通に野点をする茶の湯文化から来ているそうだ。
彼の地の独特の物質好き、色使い、金ぴかブランド好き、ラブホ、などについてなんでなの?とよくきかれる。はっきりした根拠は分からないけれど、昔から尾張三河のデルタ地帯として豊かな土地だったこと、繊維産業が栄えたこと、等々豪華で見栄っ張りの気質の素地はいくつかあると思う。けれどまず土地の起伏や気候は人に投影する。尾張中を走りまわって思うのは、起伏がないフラットな土地ゆえに家の内側に変化といか色や光沢があるのではないかということを思う。何年かおきに大水で家財が流されてきた土地だ。500年残るものを作るより、身につけるものに贅を求めるようなDNAが尾張のひとにはあるのかもしれないと、勝手に想像する。
6時代の新幹線行き、真清田神社のお茶の席を撮影。横なぐりの雨。人数がお多くて慌ただしい席。大きく使える写真は難しいかも。4時頃帰宅。週明け納品のデータ整理。夜は妻のお誕生日会で珍しく3人で外食。おいしいものってステキ。

投稿者 Ken Kitano : 08:48

2007年09月16日

9月14日  神田

今週も名古屋方面に行っていた。8月から続いた引きこもり生活のような長い仕事も終わりが見えて来て、少し気が軽くなった。
先月、思いもよらなかった方面から海外に写真を持って行く話を頂き、話をどう進めてよいやらわからないまま、忙しかったのでペンディングにしていた。このことが気になって気になって・・・。この問題に向き合うにはいろいろとクリアにしなければならないことが多く、今週少し余裕ができたので、相談したり、考えたりできた。まだわからないけれど、自分のなかで事態が少し進んだので楽になった。抱えたまま停滞しているよりずっといい。

午前中ラボへあがりを取りに。去年仕事でとったモノクロをまた使うことになり、20数本分のベタ焼を発注したら、ベタ焼きは上がってたけどベタにフィルム番記がしていない。「これじゃどのフィルムがどのベタ焼きかわからないでしょう?」というと「うちはお客様から言って頂かない限り普通は番記しないんです」、「普通しないんですって、普通してくださいよ。ベタ焼きって写真選ぶために焼くんでしょう?」、「分かりますけど、しないんですよ」という不毛な会話。「じゃ今からしますよ」と作業してもらってたらだいぶ時間かかってしまった。プロラボなのに。その次の用件をひとつ週明けに飛ばす。

銀座のM社へ納品。ここの編集部は納品の仕方が独特で、分からないので聞いたら、社員のカメラマンの方が親切に教えてくれた。東銀座からニコンへ向かってあるいていたら、池田ただしさんと磯崎さんとばったり。池田さんは明るいな〜。
ニコンで佐藤信太郎と会う。神田に移動して明るいうちからビールを飲みつつ、写真の話。海外問題や写真集のことなど。
疲れてたから、ビールだけなのに回った。早めに解散してひとりで赤羽へ。コの字の下見に「まるよし」へ。いい店でした。掲載誌と名刺だけ置いて帰りたかったけど、満員の張りつめたいい雰囲気で無粋なことはできない空気。出直しだな。
今月から中洲通信のコの字連載が1Pになって毎月になった。月刊は早いから次の店のセッティングがプレッシャーです。

投稿者 Ken Kitano : 01:23

2007年09月13日

9月13日  web写真界隈

昨夜名古屋出張から帰った。長かったこの仕事もゴールが見えて来た。名古屋の喫茶店や味噌味が遠のくと思うと少し寂しい。
9時過ぎにJR国分寺駅から家までのタクシーの運転手さんから聞いてはじめて首相辞任を知った。思わず「えーっ!」っと言ってしまった。立つ鳥跡を濁すこと山のごとしだ。

写真家の内原恭彦さんがデジタルカメラマガジンのサイトで連載している写真家インタビュー「Web写真界隈」に私のインタビューが載っています。
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/webphoto/2007/09/13/7030.html
結構最初の頃から多岐に渡る内容のメールインタビューでした。
バックナンバーで他の写真家のインタビューも読めます。

投稿者 Ken Kitano : 11:09

2007年09月09日

9月7日 とんぼがえり

久々に台風が関東地方を直撃した。
6日は名古屋から一日だけ東京に戻って、コの字の取材をしてまた7日に名古屋に戻る予定だった。が、しかし、まず6日の朝に行くはずだったコの字のお店から連絡があって、「店の大将が昨日の大雨にあたって風邪を引いたので取材を延期して欲しい」という。まず台風の影響第一弾。やむなく終日家で作業。外は激しい風雨。家の外の飛ばされそうなものは家の中にしまう。
翌日名古屋駅に8時半の集合なので6時半頃の新幹線の切符を買っておいた。中央線は動くか心配なので3時起きして4時に車で東京駅へ。丸の内のパークアンドライド(JRの特急を使うと駐車代が安くなるサービス。便利)に車を預ける。6時ちょうど発ののぞみに変更した。これなら1時間おくれても間に合う。我ながら出来るだけの手は打ったと思う。
電車は超満員。定刻に出たけれど、まず熱海で止まる。45分くらいで動き出したが、すぐ三島の手前のトンネルの中でまた止まる。それから動かない。名古屋にいる担当のイトウさんと連絡をとる。今日は予定がびっしりなのでなんとしても撮りたい。でも動かない。現地のカメラマンで動ける人が一人いるとのこと。8時まで待ったが、動かないので結局その人に今日の分を撮ってもらうことにする。仕方ないか。のぞみのデッキで「北野さん、ゴメン、私行くね!」、「分かりました。もう、行って下さい!」だって。映画の別れのシーンみたい。電話でだけど。いろんな人が新幹線のデッキで謝ったり、怒ったり、愚痴ったりしてました。電話で。
結局1時間52分遅れで名古屋着。名古屋駅は大混乱。大大混雑。
キオスクで赤福買ってこだまの自由席で帰りました。

車内でのんびり週刊誌2冊とゴルゴ13の単行本一冊と、阿川弘之の紀行ものを読みました。チャンチャン。
キオスクの本棚であんなに真剣に本選びをしたのは初めてでした。

投稿者 Ken Kitano : 12:38

9月3日  落語はいい!

8月からずうっと出張が続いてます。出張するとそのあいだ他のことができない。だから東京にいるときはやることがいっぱいたまっているから結構忙しい。芝居や落語のチケットを買っておいても今年はなかなかいけていない。楽しみにしていたエレンディラも結局他の人に行ってもらった。今日は袴田さんがプラチナチケットの立川談春のチケットをとっておいてくれたので、何としてもいきたい。だが、明日の朝イチで名古屋なので、今晩中に名古屋に入らなくてはならない。そこで朝から家で事務作業を片付けて、機材を持って横浜へ。ラボのピックアップは宅急便でおくってもらう手配をした。新横浜の大型ロッカーに荷物を預け、野毛のにぎわい座へ。柳亭市馬、立川談春二人会である。久々の落語。21時9分の地下鉄に乗れば最終の新幹線に間に合う。うれしいことに談春が先だった。やあ、受領感があっていい。気持ちいい。落語っていい。以前写真の会のインタビューで写真展をどのくらい見に行くか聞かれて、「写真展より寄席に行く回数の方が多い」と答えて笑われたことがある。市馬さんは大好きな佃島(だっけ?)だった。この話は前半と後半で大きく分かれ、まるで別な話のようななのだ。僕は前半の話が好きだったので9時2分。下げまであと少しのところで、心残りだったけど会場を後にした。でも聞けてよかった。
ここんとこ気分に余裕がなくて、キュウキュウとしてたけど、体も心もが少し軽くなった。

投稿者 Ken Kitano : 12:10

2007年09月01日

8月31日  帰宅

またまた尾張行脚していて1週間ぶりで帰宅。くたくたです。
今回は名古屋に3泊。知多半島の師崎(もろさき)に2泊、その崎の日間賀島に1泊した。尾張には絞り、仏壇、焼き物など様々な伝統工芸があるけれど、他の地域よりも”現役”が残っていて、面白かった。やっぱり職人は面白い。
日間賀島のとなりにはもうひとつ篠島という島があり、二島はまるで兄弟のよう。このふたつが対照的なのだ。優れた漁場と漁業技術を持つ漁業の島であることは同じ。多くの地域の漁業が衰退しているなか、どちらも後継者がおり、漁獲も変わらずにあるからすごい。人口もここ20年わらないそうだ。(もし橋がかかって陸続きになったら、あっというまに衰退するじゃないか。漁師さんが言ってたけど長良川の河口堰の打撃は大きいようだ。堰を開くとどっとヘドロが流れて来て魚が死ぬそうだ。)日間賀島のほうは雰囲気が明るいというか、きれいな旅館と民宿があって、観光PRもうまい。イベントもあったり。また対岸の岬側に漁港を作って仲買をしやすく、消費地への輸送を敏速にしたので漁業も以来順調。一方の篠島は全体に地味。民宿は多いが昔ながらの民宿ばかり。華やかな観光地の感じはない。文化も違って日間賀島は尾張(愛知)の文化。篠島は伊勢(三重)の文化。昔から毎年伊勢神宮へのおんべ鯛の奉納(なのか?)もしている。厳粛な正月の祭は有名。元々平安の頃、公家などの流刑地でもあったので、公家の名字や言葉がのこる。公家の通い婚に近い風習が今も残っているそうだ。
どちらも静かでおいしい魚料理を安く食べられる。いや、本当にびっくりするくらいの品数が民宿の夕飯に出る。
どおうゆう風な本になるのか多少分かって来たけど、もう考えるのはやめて、撮るしかない。

来週もまた出張になりそう。腰痛復活!
その前にコの字の取材&原稿、懸案事項の打ち合わせなどしないといけない。

横浜美術館の森村泰昌展は今の僕にとってもよかった。ミュージアムショップで買った
「美しい」ってなんだろう?(理論社)を出張中読んでいる。この本は中学生向けの美術のすすめみたいな本。
目次から、「まなぶとまねぶのあいだから」、「芸術か、芸能か、それが問題だ!しあわせの絵画/印象派」、「ふしあわせという美しさ」等など。中学生からの質問を交えながら、優しい言葉で語り口調でかかれている。これがとっても素敵なのだ。宿で寝る前に読むと気持ちが落ち着いて眠りにつけた。いい本を買った。

投稿者 Ken Kitano : 09:04