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2009年07月30日
サイト 復活しました。
ドメインの更新手続きが遅れたため一時的にサイトがダウンしてしまいました。
前回更新したのが5年前。アメリカの管理会社から通知メールが来ていたのに新しいPCではスパムメールになっていたらしい。
いやはや慌てました。ドメインが売りに出されるところでした。
とにかく戻ってよかった。
(最初にサイトを作ってくれた林くんが連絡をとれません。 元気か〜林くん? これ見たらメールください。)
休止している間に新聞に展覧会評とインタビューが載りました。
日本経済新聞(朝刊、全国)7月29日文化欄にインタビュー。新作onedayのことを中心にですが、現在の3つの作品について広範な内容で長いインタビュー記事にまとめていただいています。
(日経は読んでいる人が多いらしく、いろいろ反響がありました。our faceの撮影でお世話になった新地のクラブのママから電話があった。6年前に一回しか会っていないのに、さすがだと思いました。)
たまたまですが同じ日経新聞夕刊7月23日(関西)に展覧会評が掲載されました。執筆は西宮市大谷美術館学芸員の池上司さん。
(今回は事前に雑誌などメディアに発表しなかったしまったくの新作だもあったので、展覧会評が出てほっとしました。)
好意的な批評で、ありがたいです。
会期は来週8日までです
どうぞお運びください。またご批判ください。
投稿者 Ken Kitano : 10:22
2009年07月14日
7月11日 はじまりました
個展「one day」@MEMがはじまりました。
ようやくMEMで個展ができてよかったです。まったくの新作をいい形で静かに個展に着地できました。
2年前にギャラリーの石田さんにお会いして以来、やっと個展にこぎつけた。石田さんに感謝。またこのシリーズを企画展の時に応援してくれた本尾さん、深川さんにも感謝。そしてプリンターの石島さん、那須川さんにも感謝です。お運びください。
投稿者 Ken Kitano : 01:37
2009年07月13日
設営
10日、朝7時半の飛行機で大阪へ。個展会場設営。
MEMでの初めての個展。作品を2年前から扱っていただいている。
額に入ったプリントを白い展示室にならべると、プリント作業で作品と対話した時とは違って見える。
今回制作したプリントは20点。このシリーズは詰めずに余白をじゅうぶんにとって水平に連ねたい。
結局13点を額層で壁面展示する形に落ち着いた。
2点大伸ばし(短辺105cm)の作品があるのだが、低反射アクリルにしなかったので、はげしく映り込んでしまったのが誤算。
シャドーにぎっしり密度のある写真なので残念。こうゆうのはやってみないと分からないもの。
低反射は高いからなー、とディレクターの石田さんと額やさんと作品の前で腕組みしてしまった。
対策として、展示室に大きな窓が3つあるのだが(建物自体は大正時代に建てられ戦災を免れた古い洋館)、白い布を買ってきてで窓開口部に塞いだ。せめて映り込みを柔らかいものにした。
6時ころには終了。打ち合わせもそこそこに石田さんのご家族とおいしいイタリアンの夕食。
早めに本町のビジネスホテルにチェックイン。
いつも大阪では西成や十三のやす〜い宿に泊まるのだけど(それか梅田のカプセル)、
緊張感を持っていい展覧会ができないような気がしたので今回はビジネスホテルにした。
十三も天王寺も好きなんだけどね。
投稿者 Ken Kitano : 12:11
2009年07月09日
7月8日 展覧会前夜 展覧会歩き時々暗室
大阪MEM展のプリントは早々に発送してしまったので設営までやることはない。秋にむけての90年代のシリーズの写真集の作業は返事待ちの状態でストップしたまま。中国、韓国、台湾のプリントも終わりが見えてきた。秋に向けてやることは多々あるのだが、ひとまずちゅうぶらりんにゆとりができたので展覧会を見て、時々暗室に入る日々。
東京国立近代美術館ゴーギャン展
内覧会というのにものすごい人。ほとんど絵に近づけなかった。唯一近くで見られたタヒチの新聞用(だったのか?)版画はすっとイメージが体に入ってきて(大事だよな)とってもよかった。平日の午前にまた来るとするか。
世田谷美術館20世紀のメキシコ美術展
僕は90年代の終わりからしばらくかの地に通った。壁画運動とその他のメキシコ美術をとにかく見た。40年代前後のメキシコはとっても面白い。不連続の時間を連続にとらえ、無数の他者をひとつの連続するイメージの中に(巨大なタブローとして)描くディエゴリベラをはじめとする壁画運動の画家たち。そして生涯自画像を描き続けたフリーダ。この自己と他者へ向かう二つの対のまなざしとの出会いは僕にはかけがえのない。そこから後にour faceが生まれた。メキシコ美術は僕の作品のきっかけのひとつと言っていい。
久々に見るオロスコはやっぱりよかった。タマヨもよかった。ディエゴ・リベラは壁画はいいけれどタブローは並だとちょっと思った。もっといいタブローもきっとあっただろうに。ポサダの版画を名古屋から持ってきていてこれが面白かった。時間がなくて少ししか見られなかったけれど最後の展示でリベラの壁画を撮影したテイナモドッティーのモノクロ写真のスライドを上映していて、これがよかった。
Place M「写真の会賞」展
今年の写真の会賞は森山大道さんの北海道と故小島一郎展(青森県美)と写真集に対して。どちらもすばらしい展示だった。青森の学芸員の8年越しの蓄積の紹介はちょっと胸が熱くなった。こうゆう方に賞を贈られる写真の会はやっぱりいいぞ、と思った。選考の詳細が会報にのっている。毎年のことだけど、写真の会は賞のあり方、受賞の選定がこれでいいのか、来年も続けるべきか、という写真の批評視座そのものを重ねて討論している。そこがいい賞だなと思う。中3か高校生の頃、森山大道さんの「犬の記憶」(だったか?)の札幌のアパートに落ち着きそこから撮影に行く日々を綴ったエッセイを読んだ。写真家とはなんと苛烈で孤独で、そして何より形容しがたい行き止まり感を感じた記憶がある。その先があるとは思えないような。自分はといえばまだ何も踏み出してもいないし行き止まりも何もないのだけど、なんだか勝手に自分をそれに重ねて読んだ気がする。笑ってしまう。
あれから20年以上たつ。当然ながら「行き止まりのその先」はあるわけで、去年ラットホールで見た森山さんの北海道の写真は、懐かしい(と多少思える歳に自分もなったのか)熱を帯びていて、そして思いがけず下から(世界に対して垂直に)吹き上げるような風を感じて、意外にも心地よさを感じた。こっちも写真を続けててよかった。
そう思えたのは何者も(わたし、すらも)絶対化しない、リスキーで逃げ場のない、しかし等価(等価は均質とは違う、むしろ均質さを越えて世界を見わたすのに必要な手だてなのだ)に世界を見わたす視座を少しだけ取得したからではないか、経験として。ただしそれは続けることをやめてしまったらすぐに消えてしまうに違いない。だから続けたい。
今日(9日)は夕方三鷹のトークイベントに出ます。
href="http://www.tenpla.net/hoshicafe/diary.cgi"target="blank">http://www.tenpla.net/hoshicafe/diary.cgi/
週末から大阪展が始まります。初日11日はトークイベントとオープニングがあります。お運びください。
11日は終日在廊しています。
投稿者 Ken Kitano : 04:03