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2010年08月16日
8月16日 市民プール
あんまり暑いので、午後ひとりで市民プールへ行った。
今日は休肝日なので、ビールは飲まない。
中国から帰ってお腹が出たという指摘を受けている。
帰国して、届いていた「写真の会」会報と「写真空間4」を読んだ。
写真の会賞は「溶游する都市/Flow and Fusion」とマッチアンドカンパニーの仕事が最後までのこって議論されていた。いまの写真のありようをどう評価するのか、会員の逡巡が面白かった。F&Fは15年前の仕事だけど、ノミネートだけは今年いろんな賞にノミネートされました。15年前は評価されなくて、どうして今年評価の対象になったかというと、いい写真集になったから。続けて発表しないとだめ。
畠山直哉さんの「話す写真」を読んだ。繰り返し読んだ。
自分が人前で話してきたことに赤面。
漫然としているつもりはなかったけれど、自分は「写真」という言葉になんと無頓着だったことか。
写真家の言葉が読みたくなって買ってあった金村修さんの「斬新快楽写真家」を続けて読む。
発表の現場から見える風景について考えた。
僕の発表の現場からは・・・あまり風景が見えてこない。いろんなものが遠いよ。
春頃からどうゆうわけか文が読めなかったけど、最近少しずつ本が読めるようになってきた。
中国で180度開くようになってしまったMc book airが入院して2週間たつのに、帰ってこない。まだしばらくかかるらしい。頼む、早く帰って来てくれ。
投稿者 Ken Kitano : 22:15
2010年08月01日
8月1日 中庭
三影堂の中庭が好きである。
訪れた人はきっと誰もがこの庭でほっとくつろいだ気持ちになると思う。アイウエイウエイ設計の、三角に囲まれたこの庭は、(恐らく風水的にも良なのだろう)、高い塀に囲まれているのに閉塞感がなく、むしろ抱かれている安心感がある。壁に切り取られた空にはいつも表情があって、見ていて飽きない。雨上がりの日には草のにおいがする。草場地という名の通り。
レジデンス作家の特権は、この中庭を早朝や夕刻、(時には深夜も)独り占めできることだ。この三ヶ月間、僕はほとんど毎日この中庭で考えたり、話したり、ぼうっとしたりした。図録の原稿をメールで本尾さんに送ったり、ここで生まれたアイデアもいくつもある。父の訃報の翌日もここで空を見ていた。
北京の日常を聞かれると忙しくて出歩かない僕は、「塀の中に引きこもっています」などと言ったものだ。実際塀の中で、そしてこの中庭で毎日いろいろなことを考え、充実した日々だった。ここでたくさんの訪問者とお会いしたし、三角の空は不思議と世界のいろいろな場所と繋がっている気がして、元気がでる。
3ヶ月の滞在を終えてひとまず今日帰国する。この間お世話になった多くのみなさまに感謝申し上げます。展覧会の会期は8月20日まで延長になりました。まだまだごらんになれますのでぜひ宣伝してください。(終了後のスケジュールは決まっていないが、遠からずまた北京に来る予定です。)
濃密な日々でした。前半は忙しすぎてあまり記憶がない。制作と発表とシンポジウムと本と映像の記録も、その他・・・・いっぺんにやるものではない。でもやってみたら、勉強になりました。力不足と反省点もたくさん見えた。
肝心の作品でも直せるものなら直したい点がいくつかある。プリントのフラットニングの方法が見つからず、現状では表面のわん曲が著しい。加えてアクリルの反射がひどく、照明も展示室の構造上作品だけにあてることが難しいので、せっかくの銀塩のデティールが見えない。細部もシャドーの深さも、全体像を一見で見渡すことも、現状では難しい。幸いわん曲に関してはドライマウントプレス機を丁寧に分割でゆっくりかけることで解決できることがわかった。次回、どこかで展示する機会があれば、完璧にフラットニングし、ホコリなどの条件がクリアできればアクリルなしで展示したい。(昨年のMEMでのone day展もラージサイズは反射がひどく、結局会期途中からアクリルなしで展示した。ぜんぜん違った。)
積み残したこともいくつかある。大きさについて、等身大でない自己(と他者)について、our faceプロジェクトの先の先のほう、そのコンセプトのあり方について、見えてきたことも少しあるのでこれらは引き続き考えたい。作品について、作家や批評家、それから一般の方からもとても多くのご意見やご批判をいただいたことは大きな収穫だ。特に今回幾度に渡っていろいろな角度からお話する機会があったので。たとえばMOYIさんの、累計的とかそうゆうことよりも作品自体がひとつの宗教的ものではないか、といったような感想を思い出す。このことは日高さんともあとで少し話した。
助成金に選んで頂いたことは嬉しかった。1月だったか2月だったか、ヘコんでいた時期にポーラ財団さんから通知をいただいた時はうれしかった。助成がなかったら自腹で制作だけで、展示その他はできなかったと思う。
さて、帰ったらすぐに批評家の福島辰夫さんの評論集出版に取りかからなくてはならない。福島先生は60年にわたる批評家生活にもかかわらずまだ単著が出ていない。膨大な著作のなかから選りすぐって、1冊の評論集を世に出すお手伝いをする。この3ヶ月作業は中断してお待ち頂いてしまった。来春には出版になりますよう。出版の暁には批評を介して、仲治や岩太や奈良原一高さんや細江先生の作品と向き合う、そんな朗読会ができたらいいな、と思うのである。
中央アジアやアラブへour face asiaの撮影にも出なくてはならない。パリフォトもすぐ。
でも帰ったらまずは日本の濃いめのビールとプチプチの枝豆。
こちらのビール(ピジュといいます)も大好きだし、柔らかくゆでた枝豆もあるのだけれど、やっぱり夏の定番にありつきたい。
講演のために日本にいるインリ&ロンロンのお二人にもまたお目にかかりたい。
などと、思いを巡らす朝の中庭です。
今日は久しぶりに涼しい一日になりそう。
投稿者 Ken Kitano : 07:24